京都競馬場で17日、マイルチャンピオンシップが開催されます。競馬がお好きな方なら、マイルと聞けば1600mとすぐにお分かりになられると思いますが、日本人には馴染みのない単位ですね。
そこで、海外の距離の単位を簡単にイメージできる豆知識をご紹介します。
インチ(inch)
1インチは親指の太さのことで、2.5cmほどです。日本の尺貫法の一寸が3cmほどで、一寸法師は英語で「The One-Inch Boy」などと訳されているようです。
インチの由来はラテン語のアンシア(uncia)。1/12という意味なのですが、これは1インチが1フット(foot)の1/12です。1フットは、その名の通り足の長さが基準で30cmほどで、複数形になるとフィート(feet)と変化します。1フットは、尺貫法の尺とほぼ同じ長さです。尺の長さの物差しが普及したため、物差しのことを尺と呼ぶようになりました。
ヤード(yard)
1ヤードは0.9mほどです。日本では畳の短い方の長さを表す半間と同じくらいの長さです。畳の縦横の長さの比率は2:1になっていて、長い方は1間(約1.8m)で2ヤードです。ただし、畳の大きさには地域差があります。
ヤードはゴルフやアメリカンフットボールといったスポーツで使われますね。アメフトのフィールドに書かれているラインが5ヤード間隔だと知っていると距離感が掴みやすいです。
ちなみに丈という単位は約3mで、四方が1丈の部屋を方丈と呼びます。だいたい五畳半に相当し、必要最低限な部屋として僧侶や隠遁者に愛用されました。鴨長明の「方丈記」を現代風に言うと「四畳半物語」といった具合でしょうか。質素な暮らしを美徳とする内容です。
マイル(mile)
マイルは1.6kmほどです。マイルの語源は千を意味するミッレ(mille)で、これは 2歩の長さ、要は同じ足が再び地面に着くまでの距離を1とした単位パッスス(passus)の千倍が1マイルと定義されたためです。パッススは、ペース(pace)の語源でもあります。
ミリメートルのミリもミッレが語源で1mが1000mm。100万を意味する million もミッレが由来です。
ちなみに航海などで用いられる距離の単位の海里は英語で nautical mile(直訳:航海のマイル)といい、1852mほどです。これは地球の円周の1分(1°の1/60)の長さで、マイルに近い長さのため、こう呼ばれています。
飛行機や船の速度で、ノット(knot)という単位が用いられます。これは1時間で何海里進むかを表す単位です。
海里は「海の里」ということですが、この里は距離を表す単位で、1時間歩いた距離の約4kmを指します。マイルとはだいぶ差がありますが、マイルと同様で人間が歩いた距離が基準になっています。
ただ、里は時代や日本と中国の間でかなりズレがあります。千葉県の九十九里浜は、源頼朝が浜に1里ごとに杭を打った当時の長さの99里に相当したことから名づけられたという言い伝えがあるのですが、浜は66kmほどなので1里が667メートルほどの計算になってしまうのです。